2013年8月26日月曜日

♪NO.15♪ リーダーシップ・マスター Vol.1 ◆クライアント・システム◆CHAPTER6関連

Coaching for Leadership 3rd Editionの日本語監訳である「リーダーシップ・マスター」(英治出版、7月発売)は、「コーチの神様」と呼ばれるマーシャル・ゴールドスミス博士を始めとする世界最高峰のコーチ陣38人によるリーダーになるための「31の教え」が書かれています。コーチングのエッセンスを31章のポイントに触れながら解説していきます。
 
CHAPTER6関連
◆組織の力学、クライアント・システムとは?◆


昨日のビジネスコーチスクール(BCS)での30分セッションでエグゼクティブ・コーチングについての事前ヒアリング(stakeholderから)に関連してお話した。エグゼクティブ・・コーチングとビジネス・コーチンとの大きな違いの一つがクライアント・システムだ。

クライアントを取り巻くシステムとして、部下、同僚、上司、顧客、株主、役員会、ノルマ、トラブル等々があり、それは、幹部になればなるほど複雑化しデリケートである。コーチングの対象者であるエグゼクテイブが、このシステムの中で成果を上げることを求められていることをコーチは十分理解しなければならない。

コーチングの相手はクライアントとそれを取り巻くすべてのシステムなのだと・・・。残念ながら、コーチはクライアントの現場でクライアントとシステムの関係を見ることはできない(スポーツのコーチであれば、プレーヤーのプレイをライブやビデオで見ることは可能なのだが)。従って、クライアントに対して「質問」を投げかけることで、クライアントがシステムの中でどう役割を演じているか、何が課題か、どう行動しようとしているか等々を知り得る。

つまり、的確な「質問」こそが、唯一、クライアントとクライアント・システムを知り得る方法と考えられる。エグゼクティブは予測できない複雑な組織の力学の中で成果を求められる。クライアント・システムをクライアントが整理し、上手くシステムの中で演じ切るサポートをするのがエグゼクテイブ・コーチの重要な仕事だと思う(文責 久野)。